老人保健施設というのは、病院に入院をするほどではないが、自宅で日常生活を送ることができない高齢者が入居している福祉施設の総称である。
様々なタイプがあることは確かだが、基本的にはどこも重病人の相手をするのではない点が共通している。体の衰え等で自力で日常生活を送ることが困難なだけなので、ケアにあたっては専門的な医療知識を必要としないケースも多いのだ。したがって、老人保健施設の主役は看護師ではなくて介護士となる。
老人保健施設で働く介護士の仕事内容は、多岐に渡る。しかし、大きく分けるとどの仕事も身体介護と生活援助のどちらかには属するのだ。
身体介護というのは、体を起こす手伝いをしたり、トイレや風呂場への移動を助けるものである。どこの介護事業所でも行っている基本動作になるので、介護士としての経験があるなら迷うこともない仕事である。もう一つの生活援助は、衣服やシーツの洗濯、食事の用意等を指していて、これらは施設によってその内容も変わるが、難しい専門的な知識を必要とするものは少ない。
したがって、老健での仕事内容に不安を覚える必要はない。一般的な介護事業所で働いたことがあるなら、スムーズに日常の業務を遂行していける。ただ、一つ気をつけておかなければならないこととして、老健に入っている高齢者はいつ脳梗塞や心臓発作を起こすか分からない点が挙げられる。医師や看護師と連携をして、万が一のときの準備を怠らないことが重要だ。